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2008年8月11日月曜日

それって何?

YOMIURI ONLINE「日テレ報道番組、大食いタレントが食べた量を「かさ上げ」」に

日本テレビ系の報道番組「NEWSリアルタイム」で今年1月23日に放送された「大食い女王対決」企画で、女性タレントが食べた量を事実より多く伝えたとして、同局は11日、報道局長ら4人を厳重注意処分にした。

とありました。もうわけがわかりません。

これは報道番組なんですか。大食い企画という時点ですでにバラエティ番組じゃないんですか。

報道局長らが処分されたということは報道局の管轄下にある番組なのかもしれませんけど。報道局の番組なら報道番組なのかもしれませんけど。

しかしどうも納得がいかない。

この手の企画にヤラセがあるのは当然だと思うので、かさ上げ自体については別に何とも思いません。

また、大食い企画などというどうでもいいような企画を通しておきながらヤラセがあったから厳重注意処分というのも、なんとも首尾一貫しない迷走ぶりが目につくばかりで失笑するくらいしかできません。

問題はむしろ、報道番組の中で大食い企画が放映される、あるいはそんな企画のある番組を報道番組と呼んで疑問にも思わない、そこにこそあるのではないかと思うのですが。

2008年7月13日日曜日

翻訳家だからってすべてのニュアンスを訳しきれるというわけじゃないんです

山口雅也=編『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』(角川文庫)所収のアーサー・ポージス「イギリス寒村の謎」(風見潤=訳)。

連続殺人事件の発生した小さな村について、警部は素人探偵に向かって以下のように説明します。

人口は全部で十四人。いや、いまは十五人です。ウィロウ夫人という御婦人が三週間前に引っ越してきましたからね。誰だって村の人口を七パーセント以上増加させることができるというわけじゃないんです

最後の訳はまるでわけがわかりません。

原文は見てないので推測の域を出ませんが、直前までのセリフから考えて「14人から15人に増えたことによって、これ以降もはや誰も村の人口を7パーセント以上増やすことはできなくなった」という意味なんじゃないですかね。

(念のため書いとくと15人目のウィロウ夫人の転入で村の人口は 1÷14×100=7.14% の増加、でもその次に誰か越してくる人がいたとしてもそれによる人口増は 1÷15×100=6.67% にしかならない)

14人が15人に増えたところで、ちっぽけな村であることに変わりはない。でもそこに7%という境目を設けてみると、あたかも劇的な変化であったかのように言いあらわすことができる。そういうユーモアを意図したレトリックだと思うんですけど。

2008年7月12日土曜日

最悪の解説

文庫解説といえば山田風太郎『甲賀忍法帖』(講談社文庫)の浅田次郎によるものは最悪です。

それによれば山田風太郎の忍法帖シリーズは読者の立場にたって書かれている。作家ではなく一読者として読みたいと思うものを書いたものである。これはまあいいでしょう。

が、その根拠として以下の2点が挙げられています。

  1. たとえば相対峙した二人の忍者の間の距離をあらわすのに「何尺何寸」とかではなく、時代小説であるにもかかわらず「何メートル」と書かれている
  2. ふつうなら漢字で書くところを平仮名で表記してある箇所が多い

これをもって「読者の立場にたって書かれている」とか「若い世代の読者も読めるように書かれている」などとしているのです。なんかもう、読者を馬鹿にしているとしか考えられません。

これとは別に日下三蔵氏による「忍法帖雑学講座」というコラムも収録されていて、こちらのほうは比較にならないほどまともな内容です。作家の解説文なんて要らない、こっちだけあれば十分じゃんと思ってしまいます。