2008年7月19日土曜日

どっち向いて補遺

YOMIURI ONLINEの記事「芥川の遺志はどっち?遺書と全集収録の文面に相違あり」によれば

芥川龍之介が最期の推敲(すいこう)をした遺書の存在が明らかになったが、その遺書と岩波書店版全集に収録された文面の一部が違っていることが18日、新たに分かった

のだそうです。

本来同じであるべきことが期待される文面1と文面2との間に相違があった。これはわかりました。

が、記事の見出しが「芥川の遺志はどっち」だったのかという問いかけの形である以上、文面1と文面2とは、その相違点において二律背反の関係になくてはならないはずです。

つまり、文面1からは「AはBである」「CはDすべし」等と読みとれるのに対して、文面2からは「AはBではない」「CはDすべからず」等と読みとれる、そのことが18日になって新たにわかったのでなければいけません。

しかし、それがどこに該当するのか、記事の文面からは正直言ってわかりませんでした。

見出しと本文に相違があるというのも考えものです。単に「芥川の直筆遺書と全集収録の文面に相違あり」という見出しでよかったのではないでしょうか。

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